2008年12月1日,日本地球惑星科学連合(Japan Geoscience Union,以下「連合」と略記)が一般社団法人化し,近く個人会員登録が始まります.日本地理学会の会員の皆さまには,ぜひ連合に個人会員登録をしていただきたく,ご検討をお願いする次第です.
連合は,地理学をはじめとする地球や惑星に関する多数の学会を網羅する,総合的な学会連合組織です.現在48 学協会が加盟し,うち10余りが地理学と関係しています.日本地理学会の定款では,第4条において『内外の関連学会との連携協力等を行うことにより,地理学の進歩普及を図り,もってわが国の学術の発展に寄与する』とされています.連合はこの目的に合致する関連団体で,本学会は2005年5月の発足以来加盟し,これまでも深い協力関係をもってきました.
今回の法人化により,連合の体制は大きく変化します.まずこれまでの大会参加費を主たる収入とする運営から,学協会等の団体会員年額10,000円,個人会員年額2,000円(大学院生は1,000円,学部学生以下は無料)の会費と大会参加費とを主たる収入とする運営になります.個人会員は登録時に,「宇宙惑星科学」,「大気海洋・環境科学」,「地球人間圏科学」,「固体地球科学」,「地球生命科学」,「地球惑星科学総合」の6つの分野の中から一つを登録先として選択します.このうち,学校教員や報道関係者などが主対象の「地球惑星科学総合」を除く5分野(セクション)には,サイエンスボードが置かれ,それらを包括するユニオンサイエンスボードと共に学術推進事業を展開し,普及教育事業,社会貢献事業を実施するための各種委員会を構成して連合を運営します.個人会員には,大会参加費の会費相当分の減額や,機関誌JGL の郵送配布などの特典もあります.
連合の中にあって地理学は,昨今の地球温暖化や土地資源等に関わる地域レベルでの環境問題や大規模自然災害など,自然と人間の両方が関係する地球上の諸問題において,他の地球惑星科学諸分野とも連携して取り組むことにより,大きな成果をあげることが期待されます.これまでも本学会は,2006年度より災害対応委員会が中心となって連合大会でレギュラーセッションを開催するなど,大きな役割を果たしてきました.今回の法人化にあたり,地理系から提案された「地球人間圏科学」セクションが設けられたことは,人文・社会科学と自然科学の双方に軸足をもつ地理学への他分野からの期待を示すもので,本学会も積極的に応えていく必要があります.また連合は「地理オリンピック」と「地学オリンピック」とを共に支援しており,地理教育振興の方策についても,今後地理教育と地学教育の関係者の連携のもとで,検討が進められる予定です.さらに日本学術会議で連合は,地理学が深く関与している地球惑星科学委員会に対応する責任窓口として,この委員会と緊密な関係を有するだけでなく,将来のわが国における地理学及び関連諸科学の方向付けや,日本学術振興会が行う各種事業や学術行政全般の動向にも,大きな影響力をもつことが予想されます.多くの日本地理学会会員の皆さまが,連合に個人会員として登録されることは,地理学と地理教育はもとより,地球惑星科学全般の強化発展と普及にとって,大きな意義があるものと考えます.
連合の個人会員登録の受付は,2009年1月9日より開始される予定です.各人の会員登録区分は1つに限られますが,参加セクションは複数選択が可能ですので,是非この制度をご活用ください.日本地理学会は連合の法人化に際し,理事会にて対応策を検討し,去る12月13日に引き続き団体会員として連合に加盟することを決定しました.日本地理学会会員各位におかれましても,上記事情をご理解いただき,連合に個人会員の登録をしていただきますよう,お願い申し上げます.
なお連合に関する詳細や登録方法等につきましては,連合のHPhttp://www.jpgu.org/ をご参照ください.また本件に関する質問等は,日本地理学会事務局(office@ajg.or.jp)にメールにてお願いいたします.