2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震と大津波により被災された皆様へ、心からお悔やみとお見舞いを申し上げます。
東日本大震災はそれまでの防災態勢の限界をつきつけ、いわば「防災概念の変革」の必要性を明確にしました。私ども日本地理学会はこうした東日本大震災の発生に直面して、その後の10年間、地理学という学問が、自然災害の被害軽減に対して何ができるかを考え続けて参りました。
日本地理学会の会員は、震災直後には津波被災マップを作成・公開し、現地調査による災害の実態調査を行うとともに、事前予測にかかるハザードマップのあり方の議論や、具体的な復旧・復興計画、学校や社会における防災教育にも参画してきました。そして今後の長期的な防災・減災に対しては、地理教育における防災教育の充実に重い責任を担っていることを認識しました。
2022年度から高等学校で必履修化される「地理総合」においては、国際理解やGISに並んで、持続可能な社会づくりとして災害・防災教育が重視されます。日本地理学会春季大会は以下の公開シンポジウムを開催し、議論を深めます。
そして今後10年間、日本地理学会は地震災害のみならず風水害や土砂災害も視野に、教育・研究を通じて被害軽減と持続可能な社会の実現に貢献すべく、全力を挙げて取り組むことをここに誓います。
3月26日13:00〜16:00「東日本大震災10年 ―防災概念の変革期における地理学―」
3月27日 9:00〜12:00 「地理・社会科授業実践に必要な教師の力量とその養成―グローバルな教員養成論から考える―」
3月28日 9:00〜12:00「世界地誌学習の新たな方向性―アメリカ地誌から多文化共生社会を考える―」
3月28日 13:00〜17:00「新しい地理教育のスタートに向けて」