2020年10月7日
日本地理学会理事会
広く報道されておりますように,日本学術会議の新会員推薦者105名のうち6名の任命が,内閣総理大臣によって拒否されました.また,2016年と2018年には,会員の補充のために日本学術会議が提案した候補者に対して総理大臣官邸が難色を示し,補充が行われなかったことも明らかになりました.これらの事態は,政府に学術の立場から提言を行う独立した組織として長期にわたり活動してきた日本学術会議において異例のものであり,科学における実績に基づく科学者による推薦を政治が拒絶したことになります.これは,日本国憲法で保障されている学問の自由を否定するものであり,多数の方が指摘しているように,日本学術会議法にも違反すると考えられます.
日本地理学会は,この事態を深く憂慮し,梶田隆章日本学術会議会長らが表明された「2020年8月31日付で推薦した会員候補者のうち,任命されていない方について,速やかに任命していただきたい」という要望に賛同し,これを支持いたします.また梶田会長らが要望された「推薦した会員候補者が任命されない理由を説明いただきたい」についても賛同・支持し,抽象的な表現ではなく具体的な表現による理解可能な説明を政府に求めます.