台風19号をはじめ、この間の台風によって、被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。
9月から10月にかけての台風等では、被害が関東、甲信、東北など広域的におよぶとともに、浸水やがけ崩れによって多くの人命が失われ、住宅の損壊、停電や断水が大規模に生じただけでなく、農業や製造業などの地域の産業や都市や集落の機能にも重大な被害が発生しました。
私ども日本地理学会では、昨年の西日本豪雨に引き続き、災害対応本部を立ち上げました。すでに学会の専門家が、現地での緊急調査を実施し、今回の災害の被害状況の正確な把握を行うとともに、被害が発生し、拡大した要因を科学的見地から究明しようとしております。今後、緊急報告会等を開催し、現地での報告をもとに、自然科学と人文・社会科学にまたがる地理学の強みを活かして、多角的に今回の台風被害を検証し、今後の防災・減災、復興に向けた政策提言を積極的に行っていく所存です。今後、ホームページ等を通じて、現地報告を逐次させていただくとともに、シンポジウム等のご案内をさせていただきますが、こうした私どもの活動につきまして、関心を寄せていただき、ご意見をいただくとともに、ご協力賜れば幸いに存じます。
令和元年(2019年)台風19号災害対応本部長 松原 宏