2019年度の日本地理学会秋季学術大会を下記の通り新潟大学において開催します.
1.日 程 9月21日(土)シンポジウム,一般発表,公開講座,懇親会
9月22日(日)シンポジウム,一般発表,公開講座,研究グループ集会
9月23日(月)巡検
代議員会は9月20日(金)午後もしくは21日(土)午前中に開催の予定です.
2.会 場 新潟大学(〒950-2181 新潟市西区五十嵐2の町8050番地)
3.連絡先 堀 健彦(人文学部地理学教室) 電話 025-262-6459 e-mail: hori(at) human.niigata-u.ac.jp
4.一般発表の形式と方法
一般発表には,①口頭発表と②ポスター発表がありますが,いずれの形式も発表としては同格です.発表者(連名発表の場合は第1発表者および口頭発表者)は会員に限ります.また,同一の発表者による発表は,口頭発表・ポスター発表を通じて1人1題となりますので,御注意下さい.①口頭発表は,発表15分,質疑応答4分です.大会運営上の要請から発表の時間を指定しますので,各自の発表の日時は,後日発表されるプログラムを参照下さい.発表に際してプロジェクタは使用できますが,OHPは使用できません.会場での資料配布は御遠慮下さい.②ポスター発表は,展示場所を指定しますので,口頭説明を行って下さい.口頭説明の時間は任意ですが,今大会では,21日(土)17時~18時と22日(日)の11時40分~12時10分を口頭説明のコアタイムとして設定します.発表者はこの時間帯に20分程度の口頭説明と質疑応答を行って下さい.ポスターの標準的な大きさは幅90㎝×高さ180㎝×1枚です.ポスター会場での資料等の配布は自由です.
5.一般発表の申し込み
一般発表は本会ホームページからの発表登録(登録期間:2019年7月1日(月)正午~7月15日(月)正午)をすませた上で,発表要旨集版下原稿のPDFファイル版下電子送付をもって申し込みとします.登録の方法や版下原稿の作成要領,申し込みの手続等については,日本地理学会ホームページの「2019年秋季学術大会発表予定者へのお知らせ」を参照下さい.なお,登録最終日は混み合いますので,余裕をもって登録下さい.
一般発表では,関連する複数の発表を連続する時間帯(口頭発表)あるいは場所(ポスター発表)にまとめることができます(グループ発表).グループ発表を希望する場合は,その責任者が発表者名と演目を発表順に記したリストを,7月15日(月)までに集会専門委員会までお送り下さい(e-mail可).また,シンポジウムの発表についても,責任者が同様のリストあるいはプログラムを,上記期日までにお送り下さい.
なお,プログラムは会場の環境,発表分野,シンポジウムの数等を勘案しつつ編成するため,毎回困難を極めています.そのため,個人的な発表日時の要望等は一切受け入れられません.また,締切り期日や要旨執筆体裁等規定を厳守して下さい.
6.セッション制について
2018年2月に制定された公益社団法人日本地理学会『新ビジョン(中期目標)』の中で,学術大会活性策として挙げられた「セッション制」の導入に向け,今大会では,新たな口頭発表区分として「教育」と「災害」をテーマとした以下の二つのセッションを理事会から提案し,発表募集を試行することとしました.セッションにおいては,発表順の決定と座長の指名はコンビーナが行います.これに伴い,発表申込みの際に選択する口頭発表区分としては,「地理教育」を設けないこととしました.このため,「地理教育」での口頭発表を希望の方は,下記のスコープに適合しないと思われる場合でも,本セッションに申し込んで下さい.ポスター発表については,従前どおり「地理教育」を選択して申し込んで下さい.また,災害分野については,開催校所在地である新潟とその周辺地域に焦点をあてた提案としました.他地域に関する発表は,従前どおり発表区分で「災害」を選択して申し込んで下さい.なお,今大会での試行結果を踏まえ,次大会からは,「シンポジウム」の募集と同時に,「セッション」の募集を行う予定です.
1)セッション名:「地理教育」
コンビーナ:秋本弘章(獨協大)・井田仁康(筑波大)・浅川俊夫(東北福祉大)・荒井正剛(東京学芸大)
スコープ:本セッションは地理教育をテーマとする.小学校・中学校・高等学校および大学教員養成課程において地理教育は大きな課題を抱えている.これらの課題と対応について広く議論をしたい.とりわけ,次期学習指導要領の効果的な実践にかかわる展望と課題についての発表を歓迎したい.
2)セッション名:「新潟と周辺地域の災害」
コンビーナ:久保純子(早稲田大)・宇根 寛(元国土地理院)
スコープ:新潟大会にあたり,新潟と周辺地域の災害に関するセッションを提案する.新潟平野や信濃川など多くの河川・平野を擁し,また水害や地震災害,斜面災害などを経験してきた地域において,過去の災害の教訓やハザードマップなど防災減災,復興などの多方面からの発表と討論をすすめたい.
7.研究グループの会場申し込み
研究グループの集会は,9月22日(日)13時~17時の間に設定します.会場を用意しますので,開催を希望するグループは,①研究グループ名,②責任者氏名・連絡先,③開催希望時間(13時~15時もしくは15時~17時の各2時間以内とさせていただきます),④参加見込み人数を文書(書式自由,e-mailも可)で,7月15日(月)までに,学会事務局気付で集会専門委員会宛に申し込んで下さい.会場に限りがありますので,御希望に添えない場合もあります.なお,会場校では研究グループの発表に関わる準備は行いませんので,御了承下さい.
8.公開講座
公開講座1)地理教育公開講座「新・小中高地理教育における課題と展望――身近な地域調査――」(9月22日)
公開講座2) 地理総合講習会「『国際理解と国際協力』の指導を考える」(9月22日)
公開講座3)GIS講習会「身近な地域の調査におけるGISの活用」(9月21日)
公開講座3)のみ定員制(事前申し込み)とします.詳細については,ホームページをご覧ください.
9.大会・懇親会の参加費
大会参加費は正会員2,000円,正会員(学生会員)1,500円,一般(非会員)2,500円です.非会員で学生の方は2,000円,また,高校生以下は無料です.懇親会費は5,000円(院生・学生3,000円)です.
第1班 越後平野の水害・治水と大河津分水
趣 旨
越後平野は信濃川と阿賀野川下流域に発達した沖積平野である.なかでも現在の新潟市に相当する地域は低平で,ゼロメートル以下の土地が215km2と新潟市の総面積の3割近くに達する.信濃川・阿賀野川に囲まれた亀田郷がかつて,「芦沼」「地図にない湖」と呼ばれたほどの低湿地帯であったことはよく知られている.また,信濃川以西のいわゆる西蒲原地域にも低湿地が広がり,鎧潟,田潟,大潟をはじめ大小多くの潟が存在した.
低湿地は当然洪水にも弱く,信濃川,阿賀野川およびその支流の破堤の度に,水害に見舞われてきた.その回数は大きなものだけでも1620~1922年までの303年間で106回にものぼるという.こうした低湿地の開発は近世初頭から本格化し,現在では約85kmの海岸線に20本もの放水路を始め,数多くのポンプ,堰・水門によって,洪水防御,排水,利水が徹底して行われている.1922(大正11)年通水の大河津分水路は,20本もの放水路群の中でも最大のもので,これによって越後平野は信濃川本流からの洪水氾濫から解放され,日本を代表する穀倉地域へと変貌した.本巡検では,大河津分水路を始め,越後平野の水害,治水に関わる施設等の見学を通じ,川と人との関わりについて考えたい.
集 合
9月23日(月)9時 新潟駅南口ジュンク堂前
解 散
9月23日(月)16時 新潟駅南口
コース
JR新潟駅南口―①燕市横田(1896年洪水破堤地)―②大河津分水および資料館―③長岡市寺泊―④新潟市西蒲区樋曽―⑤佐潟(水鳥・湿地センター)―⑥新潟市西区内野(新川立体交差,宝光院)―JR新潟駅南口
昼 食
寺泊魚市場の食堂で各自(1,000円程度)
案内者
澤口晋一(新潟国際情報大)・小野映介(駒澤大)
募集人員
25名
参加費
4,500円(バス代,施設料,保健含む,昼食代は別)
申込締切り
9月15日
参加申し込み・問合せ先
参加者氏名,住所,電話番号,メールアドレス,所属を明記し,メールにて,下記あて先までお送り下さい.先着順に受け付けます.個人情報は主催者からの連絡,および保険加入のために利用させていただきます.
申込先:澤口晋一(sawashin@nuis.ac.jp)
第2班 新潟町の近世・近代・現代を歩く
趣 旨
現在の新潟の中心市街地(古町地区)は,1655年(明暦元年)に信濃川左岸に設けられた湊町に由来する.長岡藩の湊であった新潟町は,より海岸側にそれまで立地していたが,信濃川や阿賀野川の河道変化等に伴い湊が機能しなくなったため,信濃川の中州(当時)であった現在地に移転した.堀割が整然と整備された新潟町は,西廻り航路(弁財船,北前船)の寄港地として経済的に繁栄していった.近代に入り,1886年に信濃川に萬代橋が架けられ,1904年に初代新潟駅が開業し,また,大河津分水の通水など治水事業が進展する中,新潟の市街地は次第に信濃川右岸にも拡大していった.第2次世界大戦後,市街地は一層拡大していくが,モータリゼーションの進展により,多くの地方都市同様に中心市街地(特に古町地区)の空洞化も次第にみられるようになった.そうした中,近年,中心市街地活性化の取り組みが活発化するとともに,中心部への人口回帰の兆候もみられる.また,近世の町割りや近代化の痕跡が数多く残る新潟の街の魅力を再発見する試みも盛んになってきている.
本巡検は,新潟の中心市街地を丹念に歩くことで,現在の新潟の街並みに色濃く残されている,河道の変化や砂丘の発達といった環境下で発展した近世・近代の痕跡や,近年の中心市街地の様子を把握するとともに,街の魅力を掘り起こす取り組みにも触れる.これらを通して,現代の新潟の中心市街地が重層的な歴史の上に成立していることを再確認し,今後の地方都市のあり方を考えていきたい.
集 合
9月23日(月)9時 JR新潟駅万代口改札前
解 散
9月23日(月)17時 JR新潟駅万代口
コース
JR新潟駅万代口(集合)―旧新潟駅―旧萬代橋東詰―新潟日報メディアシップ―万代シテイ―(水上バスで移動)―新潟市歴史博物館(みなとぴあ)―旧小沢家住宅―住吉神社(日和山)―西海岸公園―古町8・9番町(古町花街)―NEXT21―上古町商店街―白山神社―(バスで移動)―JR新潟駅万代口(解散)
案内者
前田洋介(新潟大)・北村 繁(新潟大)・野内隆裕(路地連新潟 代表)・堀 健彦(新潟大)
募集人員
20名
参加費
2,500円(昼食代,入館料,資料代,交通費を含む)
その他
基本的に徒歩で移動します.当日の天候によってはルートが多少変更となる可能性があります.
申込締切り
9月15日(日)
参加申し込み・問合せ先
参加者氏名,住所,電話番号,メールアドレス,所属を明記し,メールにて,下記あて先までお送り下さい.先着順に受け付けます.個人情報は主催者からの連絡,および保険加入のために利用させていただきます.
申込先:前田洋介(y.maeda(at)ed.niigata-u.ac.jp)
11.発表要旨集定期購読者への予稿集電子配信の試行について
今大会では,発表要旨集の定期購読者に限り,要旨集PDF版の事前電子配信を試行します.詳細は発表要旨集送付時の添付案内文を参照下さい.