「地理学評論和文原稿執筆要領」および「著者の負担に関する内規」を一部改訂しました.論説・総説の,図表などを含めた刷り上がりページ数を20 ページ以内に(これまでは16 ページ以内),超過ページの負担額を超過1 ページ当たり8,000 円(これまでは12,000 円)にするという改訂が主ですが,本文の記載に関する「その他の留意事項」および文献表における記載例の補足もしました.85 巻1 号掲載論文から,新しい規定で運用します.会員名簿に掲載されますので,ご参照ください.
論説・総説の上限ページの改訂は,人文系の論文を中心に,近年,掲載されている論説・総説のほとんどが16 ページを上回っているという事態への対応です(82 巻1 号から84 巻2 号まで,掲載された人文系論説・総説32 本のうち30 本が超過状態).地理学評論編集専門委員会は,2004 年11 月づけで,規定上限を緩める考えをとらない旨,『地理学評論』誌上に見解を発表していますが,その理由としてあげられた学会財政上の問題や掲載待ち論文の多さは,現在(そして,おそらく近い将来も),当てはまらない状況にあります.より根本には,人文系の論説・総説でオリジナルな研究成果を十分説得的に示すには,現在の基準では少なすぎるのではないか,ということです.20 ページ以内という新しい規定は,これまでの掲載ページ数や関連他学会の規定を参照しました.短報については,原稿種類において論説・総説との差異を明確にするという趣旨から,これまでの上限を維持します.人文系では短報でも超過ページが常態化していますが,論説・総説とは異なったジャンルという趣旨を徹底させ,限られた枚数でまとめるべきだという判断です.
また,超過ページ負担の引き下げは,学会財務状況の改善に資するという理由がなくなったこと,投稿者の大半を占める若年層会員の負担軽減を図るという趣旨です.注意いただきたいのは,これらの措置が制限ページの運用を緩和させるという意味ではないということです.規定ページ数を大幅に上回ると予想される原稿については受付けを見合わせ,分量を圧縮した上で再投稿していただくように致しますので,ご注意ください.
なお84 巻(2011 年)には28 編の論文,30 の書評が掲載されたほか,近年途絶えていたフォーラムにも2 本の投稿がありました.地理学(界/者)からの社会的な発言として,E-journal GEO だけでなく和文誌のフォーラムへの投稿が増えることも期待しています.論文の内訳では,自然系論文の掲載がさらに増え,46%を占めました(投稿論文数では1/4 から3 割程度).投稿の主力が大学院生から30 歳代という傾向は変わりありません.投稿された論文の2/3程度が論説・総説ですが,掲載では短報が過半数を占めました.新規投稿数は2 割ほど増え,編集委員会では年間130 本前後の論文を審査しています.編集委員会の負担も大きくなっており,審査をめぐる不手際も生じていますが,なにとぞご寛容のほどお願い申し上げます.
最後に2010 年10 月 2011 年9 月に閲読者としてご協力いただいた方々(非会員および今期編集専門委員となられている方を除く)を五十音順(敬称略)に列記し,お礼に代えさせていただきます.
青木英一,秋山道雄,浅見泰司,新井祥穂,荒井良雄,有薗正一郎,池谷和信,石川雄一,石丸哲史,一ノ瀬俊明,伊東 理,稲垣 稜,上江州 薫,上野和彦,宇根義己,江口 卓,遠藤 元,大石太郎,大塚俊幸,大西宏治,大平晃久,大和田道雄,岡本耕平,小川 肇,小口 高,奥貫圭一,奥野一生,小野寺 淳(横浜市立大学),梶田 真,鹿嶋 洋,神谷浩夫,苅谷愛彦,川口 洋,川久保篤志,川端基夫,呉羽正昭,小泉武栄,合田昭二,河本大地,後藤秀昭,小林 茂,近藤暁夫,境田清隆,酒川 茂,佐々木 緑,貞広幸雄,澤 祥,篠原秀一,島津 弘,杉浦真一郎,関根智子,祖田亮次,高岡貞夫,高野岳彦,高橋眞一,田上善夫,滝波章弘,竹内淳彦,田中 正,田中博春,田畑久夫,千葉昭彦,張 貴民,月原敏博,寺阪昭信,寺本 潔,富田和暁,友澤和夫,中井達郎,長尾謙吉,中川聡史,中村広幸,中谷友樹,成瀬 厚,西 律子,根田克彦,箸本健二,初沢敏生,林 紀代美,原 美登里,平井 誠,藤永 豪,藤部文昭,増山 篤,松倉公憲,松橋公治,松村祝男,松村嘉久,松本 淳,松本博之,水野真彦,溝尾良隆,宮地忠幸,宮町良広,安成哲三,山川修治,山﨑孝史,山下宗利,山田晴通,山本健兒,山本俊一郎,山元貴継,與倉 豊,吉田英嗣,吉田道代,吉永秀一郎,渡邊眞紀子,藁谷哲也